飾らない店構えに魅せられて、扉に手を掛けた。
くぐる暖簾は、藍色が綺麗に染まっていて、店内に
入るとかわいい娘が出迎えてくれた。
一見狭そうな囲炉裏は、足が伸ばせて楽だ。
酒は立山と決めている。が、娘が勧める酒を呑むの
もたまには悪くないだろう。
魚にはうるさいほうだ。刺身と、カウンターの向こ
うで焼いている旬のもの、それといくつかのつまみ
を頼むとするか。
娘が勧めた酒。立山以外もなかなかなもんだ。刺身
も新鮮。旬のものも焼加減が程よい。
板前らしき若造はたいしたもんだ。酒が進む味付け
を知っている感じだ。
皆もゆっくりと、仲間と酒を楽しんでいる。だから
か。落ち着いている店なのに活気があるのは。
醸家。
今度はあいつを連れてくるか。